八代の町の徳平ていう、人かりだまされたことのなか、ぶげん者のいんきょさんのおらしたげな。彦一は、こんひとばだましてみんばんておもち、庭さきんとこっで、
「ごいんきょさん。ことし、わしがつくったからいもは、こぎゃん太かったばい。四斗だるぐらいあったろな。」
「ウハッハハー、彦一やめんか、そぎゃん太かからいもてあるもんか。だまそうてしたてちゃわかっぞ。」
「そぎゃんたいなあ。ほんなこたあ五しょうだるぐりゃ・・・・・。」
「ばかんこつ、そぎゃんとんあるか。」
「そんなら、一升どっくりぐんにゃ……。」
「んにゃ、まあだ太すぎる。」
「うーん。一合びんぐりゃだったろな。」
「うん、そんくんにゃだろね。そりがあたりまえたい。彦一おりばだますとはむつかしかろが、ハッハハハ・・・・・。」
彦一も、おかしゅなって、
「ウッハハハ……。」
「こら、彦一、ぬしがおかしかこつァなかろうが。」
「ばってん、ごいんきょさん、まあだ、からいもは苗ばうえたばっかりでなかつたばい。」
徳平どん、がっくっととらしたげな。