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osamumabu

とっくりのなぞ

光徳寺の珍念な、頭がわるか上、大めしぐらいだったげな。ある日、和尚さんが小僧をよんで、 「珍念、十三里をかけてうまかもんをかってこい」 て、いうて使いに出さしたげな。ところが、しょぼたれてもどってくる ...

梅の実

八代のふもとに、わるか銀ぎつねがおって、人が通っと、わるかこつばっかりしよったげな。ちょうど彦一が球磨川に鮎つりいたてもどりみち、梅の木下でゴツンて梅実のあたったもんだけん、上みたリや、きつねやつが笑 ...

大ぼらふきくらべ

薩摩国(鹿児島県)の甚四どんと、肥後(熊本県)の彦一どんが、松井の殿様の前で、ほらふきくらべばしたげな、どっちも名売ったとんちもだったので、お国の名にかけてン大きいほら話しばもって来らしたたい。はじめ ...

彦一のまじない

彦一の家のそばん、昔のぶげん者だった金助どんいえもあった、金肋どんの代になってから、どんどん落ちぶれて来たげなたい。ところが、金助どんな正直もんの旦那だったけん、不思議に思とったったい。金助どんが神さ ...

はたけのうね

ながしで球磨の相良さんがな、塩にそうにゃ困っとらすて聞かした松井の殿様が、彦一に塩ばとどくる役目ば言いつけらしたってたい。彦一は、雨が止むとば待つとって八代から出かけたげな。ひるごろ、領地さいかいのと ...

はなおうじ

いまどき若侍たちは、ビロードン着ものを着ているな、「ちっとも武士らしゅうなか、着ているのは駄目。」 て、おふれを出さしたげな。そればってん、そろっと町中で、着て歩くもんのおるて、きがしたもんだいけん、 ...

きつねの水およぎ

彦一にちえ負けして、ひどい目にあってきたきつねは、「よし、こんどは、さむらいにばけ、彦一をへこましてやる。どんな彦一でも、さむらいにゃ頭があがらん。」と考えて、萩原の土手でまっていましたところ、あんの ...

まつぼり

彦一は、とっても酒が好きでしたけん、よめごは毎晩酒かいに行いかないといけませんでした。 そればってん、貧しかもんだけん、年のくれには借金取りがおしよせて、さすがの彦一も、これには困っていました。 「す ...

おいはぎと刀

彦一は貧しかった、大晦日は借金取りが来て、いつももめていました。 ある年の暮れ、彦一は裏庭で瓦をやたらわりだした。よめさんは、そうとう心配しましたが、彦一は、「心配するな、なんとか銭のくめんをします。 ...

彦一の水ぶろ

夏の暑か日、彦一は八人の百姓と頒主のとこへ年貢の米を納めに行かした。馬のせなかに米ば三俵ずつ積んで、水がないので、のどは渇くし、暑く、汗ばたらたら流して歩いていきました。 途中、森には美しか水の湧きで ...