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osamumabu

かるい帰り道

ある春の日の事、殿さまが二十人ばかりの家来を連れて、お花見へ出かける事になりました。そのお花見には、殿さまのお気に入りの彦一も呼ばれています。そして出発の時、殿さまがみんなに言いました。「みんなには花 ...

八人の真ん中

ある日の事、お城から彦一のところへ、こんな知らせが届きました。 《若さまの誕生祝いをするから、庄屋(しょうや)と村の者を六人合わせた八人で城へ参れ。人数は、きっかり八人で来るように》それを知った庄屋さ ...

盗っ人小僧

ある日の事、彦一は殿さまのお使いで、船に乗って遠くの島に行く事になりました。そしてその夜は、船で寝る事になりました。(さて、そろそろ寝るとするか) と、思ったその時、「海賊だー!」と、言う叫び声がしま ...

若様はひとり

肥後松井様の城下に、彦一(ひこいち)と言う、とてもかしこい子どもがいました。 そのうわさは隣近所の町や村にまで広がり、お城の殿さまの耳にまで入りました。 「そんなに利口なら、一つとんちの力試しをしてや ...