「やしいこったい。こぎゃんしてみんかー。」
て、教えたげな。こんやんぼしどんな、八代にきてから、よう泊まる百姓家の宮地にあったげな。狐やつは彦一教えられたごつ、ある日、そこん家のもんの畑さん行かすとば、つけち行たてかり、わざとそん百姓の者の目につくこつして、藪中かりチョコチョコ姿ばじゃて、しば葉や草の葉ば体にひっつけち、やんぼしどんにばけちみせたげな。そしてかり、そんまま宮地の家さん行くまねばして山さんもどっていったげな。百姓は仕事をすんでかり家さんもどって見つとやんぼしどんの、縁がわゃ腰かけて煙草どんのみよらすもんだけん
「おどりゃ、こん狐げだ!まあだ、やんぼしどんに化けとる。」
て、言うてかりとなりきんぺんのもんば、よびあつめちきとって、太かこん棒や、竹ン棒で、やんぼしどんばポカポカめった打ちィさしたげな。やんぼしどんな、ほんなこてふてめおうて逃げじゃあて、そっかさき、八代に姿ば見せらっさんごっならしたげな。