彦一うち にゃそおんりこうかねこのおったげな。ある日、おくさんがぬいもんばしとらすと、にわか雨あふってきた。ちょうど外でひるねしとったねこがたまがって、
「かかさん、雨ふってきたばい。」
て、いうた。おかしかなあ、と思うて外ば見ると、ねこがおってほんなこて雨がふりよる。そっで、急いでほしもんばなおさした。彦一が、よそかるもどってきてかる、すぐこにおくさんのは、話なさした。とこるが、彦一は、
「そぎゃんこつのあるもんか・・・。」
て、とりあわんだったげなたい。ところが.よこにおったねこやつが、
「ほんなこつばいうてなぁ、奥さん。」
て、言うたもんだけん、たまがって、松井の殿様に、このねこばやらしたげなたい。とんさんも、ずっとなごうかわいがらしたげな